遊びの意義

 子どもはなぜ遊ぶのでしょう

大人にとっての遊びは、気晴らしであったり、趣味であったりします。しかし、子どもにとって遊びは学び。

遊びの中で学んでいきます。基本的な人としての心理的な安定感や安心感も遊びの上に作られるともいわれています。

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の周りの世界を知るために、自分の今いる状況(環境)から情報を取り入れて学んでいきます。「乳幼児期は、環境との相互作用によって、環境を理解し、環境に合わせた能力を獲得していく時期です」子どもは遊びによって環境の性質を知り、環境に合わせた力を獲得していきます。

現在、地域や社会の変化による子どもの育ちが注目されています。

  フィンランドの児童精神科医のトゥーラ・タンミネン氏は「子育ての悩みが増えたのは、母親でなく社会が変わったから。社会には親を支援する責任がある」とし、「虐待や貧困に陥らない予防重視の支援を行うことは、将来の(犯罪や病気など)社会コストを節約し、国民全体の利益になる」(国立保健福祉研究所 マケラ研究員)とのべています。

 最近は、子育てを見よう見まねで学ぶことが困難で、子育ての学びがないまま実践せざるを得ない状況があり、子育てを支える場(学ぶ場)が必要とされています。子育ては本能ではできない学習性の行動であると言われており、学習の機会や学ぶ場を失った現代社会で子育てをしている親子が、子どもとの関わり方や子どもの発達段階など子育てに関する生の情報を得られる場が重要になっています。

 親と子が安心して遊べる空間があったなら、その遊びの体験の場こそが子育ての学びの場となります。親子の関わりも、何もない環境では難しく関わりにくいことでしょう。そこで親と子の関係をつなぐための媒介物を用意し、遊びを通し体験をする場が必要だと考えています。

私たちは、子ども達の個性に合わせ、子どもたちの力を育むための遊びと、発達に沿った遊び方を仲間と展開していくことで子どもの発達を支えていくことが大切だと考えています。